特集 NASH/NAFLDアップデート:患者数急増時代の実践ガイド
総論
近年のNASH/NAFLDの動向
中島 淳
1
,
小林 貴
1
,
米田 正人
1
1横浜市立大学大学院医学研究科肝胆膵消化器病学教室
キーワード:
NAFLD
,
NASH
,
MAFLD
,
MASLD
,
MRE
Keyword:
NAFLD
,
NASH
,
MAFLD
,
MASLD
,
MRE
pp.1560-1566
発行日 2023年12月1日
Published Date 2023/12/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000506
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Headline
1 非アルコール性脂肪肝炎(NASH)および非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の疾患概念定義が欧米およびアジアを中心として大幅に変わってきた.
2 脂肪肝で飲酒量を問わず代謝異常に着目したMAFLDが提唱され,その後欧米を中心に脂肪肝のみではなく,代謝異常の存在やアルコール量を非飲酒,中等度飲酒,高度飲酒に分け,さらに脂肪(fatty)という名称が偏見につながるということでsteatoticという名称に変更したMASLDが最終的な再定義として確立してきた.
3 一方,日本では「奈良宣言」でALT値30U/L以上の患者を拾い上げようという肝臓学会の動きがあり,この結果,実地医家の責務は大きく変わることが想定される.
4 線維化診断においてはもはや肝生検に頼らなくても非侵襲的バイオマーカーで十分に実地診療ができるようになり,喫緊の課題は国内ガイドラインを世界標準なものに変更することが大きな課題と思われる.
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