特集 人工知能(AI)がもたらす創薬イノベーション
6.バイオメディカル・基礎から臨床への開発プロセス(2)1)トランスレーショナルリサーチと機械学習
夏目やよい
1
1医薬基盤・健康・栄養研究所 バイオインフォマティクスプロジェクト サブプロジェクトリーダー
pp.2049-2053
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018092049
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培養細胞や臨床サンプル,実験動物から得られた知識を基盤としてヒトで効く薬を開発するためのトランスレーショナルリサーチにおいて,「新薬シーズのADMET(体内動態や毒性)予測」,「作用機序推定」,「バイオマーカー探索」などを高精度かつ効率良く進める需要は高い。さらに,近年では前臨床研究において収集・蓄積されるデータは爆発的に増加しており,その有効な利活用が強く求められている。このような背景の中,深層学習を含む機械学習の活躍の場が一層拡大しており,多くの製薬企業においてその導入が急がれている。本稿では,トランスレーショナルリサーチにおける機械学習の応用例を紹介するとともに,現在の技術的課題に触れる。