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〔今月の注目論文のポイント〕 1.文献調査によるメタアナリシスにおいて,抗PD-1(programmed cell death 1)薬および抗PD-L1(programmed death-ligand 1)薬による組織特異的免疫関連有害事象は稀であるものの,化学療法などと比較してそのリスクが高いことが報告されている。 2.英国の医療情報データベースを用いたコホート研究において,高齢者の尿路感染症にトリメトプリムを用いた場合,急性腎障害や高カリウム血症のリスクが上昇することが示唆され,特にレニン・アンジオテンシン系阻害薬やスピロノラクトンを併用している場合にリスクが高かったことが報告されている。 3.薬物動態学的モデル解析を用いた予測において,腎機能障害患者がベラパミルを併用する際には,出血リスクを抑えるためにリバーロキサバンの減量が必要であることが報告されている。 4.健康成人を対象とした試験において,ジルチアゼム併用によりタムスロシンの血漿中濃度が上昇し,特にCYP2D6 機能低下型群でのジルチアゼム併用時には,CYP2D6 野生型群での単独投与時と比較して顕著な上昇が認められたことが報告されている。 5.英国の医療情報データベースを用いた症例対照研究において,脊椎関節炎患者ではジクロフェナクにより心筋梗塞のリスクが上昇することが示唆され,変形性関節症患者よりも顕著であったことが報告されている。
6.米国の医療情報データベースを用いたコホート研究において,女性,高齢,慢性腎疾患の併存,初期用量100mg/日以上がアロプリノールによる重篤な皮膚有害反応のリスク因子であったことが報告されている。