連載 医薬品情報(DI)室より 注目の新薬情報〈24〉
キイトルーダⓇ点滴静注20mg,同100mg
鋒山香苗
1
,
米澤淳
2
1京都大学医学部附属病院薬剤部
2京都大学医学部附属病院薬剤部 准教授 /副薬剤部長
pp.159-162
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201801159
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◆製剤の特徴 Programmed cell death 1(PD-1)のリガンドであるPD-1 ligand 1(PD-L1)は,正常組織ではわずかに発現しているが,多くのがん細胞ではT細胞の働きを抑制するほど過剰に発現している。そのため,PD-1とPD-L1経路は,がん細胞がT細胞免疫監視機構から逃れるために利用する主な免疫制御スイッチとなっている。「キイトルーダ®点滴静注20mg,同100mg(ペムブロリズマブ〔遺伝子組換え〕)は,PD-1とPD-L1およびPD-1 ligand 2(PDL2)の結合を阻害することにより,免疫抑制状態を解除し,抗腫瘍効果を示す免疫チェックポイント阻害薬である1)。2016年9月に「根治切除不能な悪性黒色腫」に対する適応が承認され,同年12月には「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」に対する適応が追加承認された。ペムブロリズマブは,再発・進行非小細胞肺癌一次治療において,唯一,適応を有する免疫チェックポイント阻害薬である。