特集 遺伝子治療における技術革新の現状と課題
8.循環器疾患の遺伝子治療
田中理子
1
,
米満吉和
2
1九州大学大学院薬学研究院革新的バイオ医薬創成学講座
2九州大学大学院薬学研究院革新的バイオ医薬創成学講座 教授
pp.97-100
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201801097
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循環器疾患の遺伝子治療では,下肢慢性動脈閉塞症(PAD)を対象にした血管新生遺伝子治療が数多く進められている。その中でも,我々は塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF/FGF-2 )搭載の組換えセンダイウイルスベクターによる遺伝子治療の開発を進めており,既存のベクターと比べ格段に高い遺伝子導入率・遺伝子発現率によって,虚血組織に新たな血管を誘導する。本稿では,日本発で世界初のパラミクソウイルスベクターであるセンダイウイルスベクターを用いた最新の遺伝子治療の進歩と,循環器領域における遺伝子治療薬品創出における課題について述べる。