今月の主題 臨床医のための遺伝子工学
疾患治療への遺伝子工学の応用:遺伝子治療に向けて
これからの遺伝子治療
循環器疾患の遺伝子治療
米満 吉和
1
,
古森 公浩
1
,
杉町 圭蔵
1
1九州大学医学部第2外科
キーワード:
一酸化窒素合成酵素
,
nitric oxide synthase
,
NOS
,
血管内皮細胞増殖因子
,
vascular endothelial growth factor
,
VEGF
Keyword:
一酸化窒素合成酵素
,
nitric oxide synthase
,
NOS
,
血管内皮細胞増殖因子
,
vascular endothelial growth factor
,
VEGF
pp.2177-2179
発行日 1997年11月10日
Published Date 1997/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904817
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心疾患,脳血管疾患など,動脈硬化に起因する疾病は国民死亡原因の第1位であり,その対策は急務である.循環器疾患において,臓器不全に陥る最大の原因は血管内腔の閉塞とそれに続発する臓器虚血であり,局所的な血管内腔の狭小化を制御する手段の確立,また虚血による臓器機能低下の回復が重要となる.また動脈硬化促進因子の制御も,発生予防上重要である.
これまで多くの薬剤や血管内治療法が確立され,一定の成績を治めているものの十分な効果をあげているとは言い難い.近年,遺伝子治療によるこれらの問題の解決が期待されているが,臨床応用にはいくつかの越えるべきハードルがある.本稿では循環器領域,特に血管壁内膜肥厚と虚血性疾患の遺伝子治療研究の現状と今後の課題について概説する.
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