特集 遺伝子治療における技術革新の現状と課題
7.遺伝子を用いたワクチン療法
中神啓徳
1
1大阪大学大学院医学系研究科健康発達医学・寄附講座教授
pp.91-95
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201801091
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ワクチンは古くから実践されてきた治療法であるが,近年さまざまな疾患へと応用されている。我々も高血圧・糖尿病などの生活習慣病に対するワクチンの開発研究を進めており,将来的に毎日の内服薬治療から年に数回の治療ワクチンへ代用治療の実現を目指している。この治療ワクチンのツールの一つとして,プラスミド DNAワクチンがある。DNAワクチンは製剤自体が自然免疫系を活性化することから,アジュバント投与なしでも可能であるメリットがある。現在,高血圧ワクチンの標的分子として,アンジオテンシンIIに対するワクチンの臨床開発を進めている。