第III部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
心不全治療薬
佐藤直樹
1
1日本医科大学武蔵小杉病院・副院長/ 循環器内科・集中治療室・部長/ 教授
pp.428-436
発行日 2017年1月31日
Published Date 2017/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201713428
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心不全はさまざまな基礎心疾患により引き起こされ,的確な病態把握と的確な治療が行われていても,いまだに予後不良な疾患群である。こうした中,急性心不全では,現存する薬剤を用いていかに予後改善に結びつけるかが検討され,“時間軸”を念頭においた治療が注目されている。新規薬剤に関しては,急性心不全治療薬であるSerelaxin をはじめとする異なる作用機序の薬剤の第Ⅲ相臨床試験が行われている 一方で,慢性心不全でも,既に欧米では承認されているSacubitril/Valsartan やIvabradine をはじめ, Vericiguat 等のさまざまな作用機序を有する特徴ある薬剤の第Ⅲ相臨床試験が本邦で行われている。本稿を参考に心不全診療に常に注目していていただきたい。