連載 薬剤師による処方設計〈63〉
エコーガイド下経皮的肝生検術における予防抗菌薬に対する取り組み
久保靖憲
1
,
大滝康一
2
,
田﨑嘉一
3
1旭川医科大学病院薬剤部
2旭川医科大学病院薬剤部
3旭川医科大学病院薬剤部 教授/薬剤部長
2〔兼 北海道薬科大学薬物治療学分野・准教授〕
pp.2703-2707
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201712115
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薬剤耐性に対して国際的な行動計画の策定が求められる中,抗菌薬の適正使用は急速に進展している。旭川医科大学病院においては,これまでエコーガイド下の経皮的肝生検術時にセフェピムが用いられていた。病棟常駐薬剤師はその予防投与の妥当性を検討し,医師と協議を行った結果,必要性は低いという結論となった。そこで運用を変更し,変更後におけるエコーガイド下経皮的肝生検術後の感染発生について調査を行った。その結果,生検術が原因と考えられる感染については変更前と同様の0件で,発生は見られなかった。本報告では,薬剤師が薬学的観点から医師と協議した結果,基本的に抗菌薬は使用しないという運用となり,薬剤の適正使用が進んだと考えられた。