連載 リスクマネジメント~院内での薬剤師の活動~(121)
集中治療室における注射剤適正使用のためのツールの作成ならびに利活用による医療安全への効果
中島貴史
1
,
石田茂
1
,
増田智先
2
1九州大学病院薬剤部
2九州大学病院薬剤部 教授 /薬剤部長
pp.2696-2701
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201712108
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近年,集中治療室(ICU)における薬剤師業務の必要性,重要性はますます高くなっており,九州大学病院ICUにおいても専任の薬剤師を配置し,病棟業務を行っている。ICU担当薬剤師には医師や看護師からさまざまな相談が寄せられるが,その中でも頻度の高い相談は注射剤の配合変化についてである。これを踏まえ,我々はICUにおいて使用頻度の高い注射剤の配合変化早見表を作成し,看護師ならびに医師に提供するとともに,担当薬剤師の病棟業務にも活用している。配合変化早見表は,ICU担当薬剤師の業務効率改善に有用であるだけでなく,医師や看護師の注射薬に関するインシデントの回避にもつながり,医療安全の推進に貢献すると考えられる。本稿では,これらの取り組みについて紹介する。