小さな工夫
腎不全患者に対する経皮的腎生検
阿部 裕行
1
,
奥村 哲
1
,
富田 勝
1
1日本医科大学泌尿器科学教室
pp.888
発行日 1979年9月20日
Published Date 1979/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202813
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現在開放的腎生検は別として,腎穿刺法はDIPを行ない透視下に施行される例が多い。一方,慢性腎不全症例に対する腎穿刺法は,造影剤のnonvisualizationのため止むなく単純な盲穿刺で施行されるのが通例である。しかし,この方法の欠点は,穿刺の確実性が低く,また合併症も多い。故にわれわれの施設では慢性腎不全症例の腎穿刺法は次の方法で施行している。型のごとくPRPを行ない,3〜4時間後患者を腹臥位にし,数cm間隔で碁盤目状にマジックインクでdotをうち,それぞれの上に小鉛片を置いて,腹臥位KUBを深呼気時(第1図)と深吸気時(第2図)で撮影する。鉛片を除去し,腹臥位深吸気時の腎下極外側直上の皮膚をこのKUBで確認し行なう。利点としては,①一度KUBを撮影しておけば,いつでもどこでも施行できる,②あらかじめnephrogramが分るので腎萎縮の程度,および周囲との癒着の程度もわかる,③体外計測法による盲穿刺より正確である。一方,欠点としては,①腎の呼吸性移動の差位によつて生じる腎下極側に対するorientationの誤差,②PRP時の患者の苦痛,が挙げられる。
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