連載 患者のQOL向上と薬剤師の関わりPART Ⅰ.院内製剤(77)
切迫早産の治療目的にて使用するプロゲステロン膣坐剤の院内製剤化における薬剤師の取り組み
永倉優子
1
,
近藤譲
1
,
鶴﨑泰史
2
,
高島伸也
3
1独立行政法人 国立病院機構 佐賀病院薬剤部
2独立行政法人 国立病院機構 佐賀病院薬剤部 副薬剤部長
3独立行政法人 国立病院機構 佐賀病院薬剤部 薬剤部長
pp.723-726
発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201602723
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佐賀病院(以下,当院)は,佐賀県の総合周産期母子医療センターの指定を受けており,産科,小児科,小児外科,その他関連診療各科の医師,スタッフが緊密な連絡をとることにより,高度専門医療・救急医療を提供している。産婦人科関連においては多様な病態に対応することが多く,それぞれの患者へ最適な薬物療法を提供するためには,製薬企業より販売されている医薬品だけでは必ずしも十分でない場合がある。当院では,これまで単胎例に対する切迫早産予防の治療目的で,プロゲステロン筋注が使用されてきた。しかし今回,産婦人科医師からの要望にて国内で坐剤の剤形として承認を得ていないプロゲステロン膣坐剤作製について依頼を受け,病院として対応することとなった。 現在,日本病院薬剤師会より「院内製剤の調製及び使用に関する指針(Version.1.0)」1)が発出されており,薬剤部では当該薬剤を指針に則った形で,申請に関する倫理委員会事務局として,調製の検討および院内での運用方法について対応した。さらに,使用成績調査も併せて行ったことから,その取り組みについて報告する。