連載 患者のQOL向上と薬剤師の関わり PART I .院内製剤(65)
ウリナスタチン膣坐剤の調製と絨毛膜羊膜炎に伴う切迫早産に対する有用性
稲葉健二郎
1
,
松岡順子
2
1総合相模更生病院薬剤部 薬剤部長
2総合相模更生病院薬剤部
pp.833-837
発行日 2014年2月1日
Published Date 2014/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201402833
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新生児の生命予後を悪化させる早産の原因として,絨毛膜羊膜炎(CAM)が注目されている。主な治療として,抗生物質やリトドリン等が用いられている。しかし,これらの治療を行っても切迫早産予防に難渋する症例も多いことから,主に重症例に対し,ウリナスタチン膣坐剤による局所治療を併用し,効果を上げている。総合相模更生病院でのウリナスタチン膣坐剤の使用状況と効果を確認したところ,投与群は非投与群と比較し有意に重症度が高いものの,ウリナスタチン膣坐剤を投与することで,重症度の低い症例と同様の臨床経過が得られていた。このことから,CAM に伴う切迫早産の治療には,従来の治療に加えウリナスタチン膣坐剤の併用が有用な手段であることが示唆された。