特集 ファーマコメトリクス~創薬と薬物治療マネジメントでの活用~
2.ファーマコメトリクスに関する国内外の動向と今後の展望
谷川原祐介
1
1慶應義塾大学医学部臨床薬剤学・教授
pp.1239-1242
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/12017051239
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ファーマコメトリクスとは,数理モデルと計算機科学を用いて薬剤の効果および副作用を解析し,かつシミュレーションする手法であり,新医薬品の開発や臨床での薬剤適正使用に応用する。新薬開発には数百億円という莫大な費用のかかる臨床試験が必要で,それだけのコストをかけてもなお成功確率は満足できるものではなく,かつ開発期間も長いという問題がある。そこに計算機科学を導入することにより,より早く,より効率的に最適解(最適の用法・用量)に到達し得る。今やグローバル製薬企業は,こぞってファーマコメトリクスを新薬開発のコア技術として活用しており,その専門技術を有する人材は世界的に渇望されている。