特集 ファーマコメトリクス~創薬と薬物治療マネジメントでの活用~
3.創薬基礎研究におけるファーマコメトリクス
前田和哉
1
1東京大学大学院薬学系研究科分子薬物動態学教室・講師
pp.1245-1252
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/12017051245
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創薬研究において,特に前臨床のin vitro 実験から得られた情報を有効活用すべく,分子レベルの速度論パラメータを個体レベルに論理的に統合化する生理学的薬物速度論モデル解析は,臨床試験の結果をある程度予見するツールとして,また適切な臨床試験デザイン構築のための思考材料として有用である。さらには近年,薬物相互作用の予測において,臨床相互作用試験を行わずして数理モデル解析の情報のみを元に,相互作用時の基質薬物の血中濃度の上昇程度に関する情報源として,新薬の申請資料や添付文書上でも記載がされ始めている。その現状を鑑み,今後,信頼性が高く汎用性のあるモデル構築法がますます求められる。