特集 ファーマコメトリクス~創薬と薬物治療マネジメントでの活用~
1.創薬と薬物治療マネジメントにおけるファーマコメトリクス~概論~
猪川和朗
1
,
緒方宏泰
2
1広島大学大学院臨床薬物治療学・准教授
2明治薬科大学・名誉教授
pp.1231-1237
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/12017051231
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ファーマコメトリクスとは,「pharmaco(薬の)+ metrics(計量学)」を意味する造語である。その語義は薬理学から薬剤学へと拡大され,現在では一般的に,医薬品開発・規制における情報の創出・解釈や効率的な意思決定へ向けて定量的手法を構築し適用する科学,とりわけモデリング&シミュレーションなどの数理統計学的な解析・評価・予測アプローチを総称する用語となっており,それらを取り扱う学問分野に対する呼称となっている。最近では,医療現場における薬物治療の個別化マネジメントでもファーマコメトリクスが臨床活用されてきている。
本稿は本特集の総論として,創薬と薬物治療マネジメントにおけるファーマコメトリクスの意義,役割,適用実践について概説する。