第III部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
癌治療補助薬
岩本卓也
1
1三重大学医学部附属病院薬剤部・准教授/副薬剤部長
pp.365-374
発行日 2016年1月31日
Published Date 2016/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201613365
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2015年に販売が開始された癌治療補助薬に,新有効成分を有する薬剤は存在しないが,新剤形,新効能・用量,新投与経路といった既存の薬剤を有効活用したものが複数ある。トラマドール塩酸塩徐放製剤(ワントラム錠)は,癌性疼痛に対する新剤形,タゾバクタム/ピペラシリン水和物(ゾシン静注用)は,発熱性好中球減少症に対する新効能・用量,そして,メトロニダゾール(ロゼックスゲル)は,癌性皮膚潰瘍部位の殺菌・臭気の軽減に対する新投与経路医薬品として承認されている。また,高度催吐性抗悪性腫瘍薬に対するニューロキニン1(NK1)受容体拮抗薬であるNetupitant,癌性突出痛に対するフェンタニル貼付型口腔内フィルム製剤の臨床試験が進行中であり,結果が期待される。