第 III 部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
癌治療補助薬
野村久祥
1
,
齊藤真一郎
2
1国立がん研究センター東病院薬剤部主任
2国立がん研究センター東病院薬剤部部長
pp.398-402
発行日 2014年1月31日
Published Date 2014/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201413398
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
癌に対する治療薬は日進月歩な分野である。抗癌剤が進歩するなかで,患者の生活の質(Quality of Life)に影響する有害事象や疼痛を緩和させる薬剤も開発されている。有害事象の一つに血管外漏出があり,海外ではすでに血管外漏出の治療薬デクスラゾキサンが使用されている。本邦では製造販売承認申請されている薬剤であり,上市で期待される薬剤の1つである。また,癌性疼痛のある患者の多くは突出痛を経験する。2013年に本邦で初めての口腔粘膜吸収癌性疼痛治療剤であるフェンタニルクエン酸塩製剤が発売された。オキシコドン,塩酸モルヒネに加えて,新たな突出痛治療薬として期待される。