第Ⅲ部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
癌治療補助薬
池末裕明
1
1神戸市立医療センター中央市民病院薬剤部副部長代行
pp.357-360
発行日 2019年1月31日
Published Date 2019/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201913357
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悪心・嘔吐は,がん薬物療法を受ける患者が最も不快に感じる副作用の一つであり,適切な予防と対策が必要である。アプレピタントは主に高度催吐リスクの抗がん薬投与時に予防投与が推奨されてきたが,近年,カルボプラチンなど中等度催吐リスクのレジメンに対しても,その高い制吐効果を示すエビデンスが蓄積されている。また,抗精神病薬であるオランザピンの高い制吐効果が第・相試験で証明され,最近わが国でも適応が追加された。 より安全で効果的な制吐療法の確立に向けて,制吐効果に関するエビデンスに加え,薬物相互作用や副作用に関する情報の更なる蓄積が望まれる。