第III部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
癌治療補助薬
内田まやこ
1
1大阪薬科大学臨床薬学教育研究センター・講師
pp.360-372
発行日 2017年1月31日
Published Date 2017/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201713360
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2016 年に承認された癌治療補助薬は,新有効成分を有する薬剤が存在しないものの,新効能,小児用量追加といった,既存の薬剤を有効活用したものが複数ある。フェブキソスタット(フェブリク®錠)は,癌化学療法に伴う高尿酸血症に対する新効能・用量,アミトリプチリン塩酸塩(トリプタノール錠)は,末梢性神経障害性疼痛に対する新効能・用量,ホスアプレピタントメグルミン(プロイメンド® 注)は,抗悪性腫瘍薬投与に伴う消化器症状(悪心,嘔吐)への小児用量追加として承認されている。また,癌性疼痛に対するHydromorphone やオピオイド系鎮痛薬による便秘に対する症状緩和薬として,Naldemedine の臨床試験が進行中であり,結果が期待される。