第Ⅲ部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
癌治療補助薬
山口正和
1
1国立がん研究センター東病院薬剤部・薬剤部長
pp.566-571
発行日 2018年2月28日
Published Date 2018/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/1201813566
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オピオイド誘発性便秘症(opioid-induced constipation:OIC)に対する治療薬としては,浸透圧性下剤(酸化マグネシウム,ラクツロース)および大腸刺激性下剤(センノシド,ピコスルファートナトリウム水和物)等が,単独または併用で使用されている。しかしながら,それらの薬剤では,高マグネシウム血症を含む電解質異常,腹部膨満感の発現,長期連用による耐性または習慣性等の問題点がある。
ナルデメジントシル酸塩は,末梢性μオピオイド受容体拮抗薬であり,中枢のμオピオイド受容体に作用することなく,消化管におけるオピオイドの末梢性作用に拮抗し,OICを改善することが期待されている。