第III部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
前立腺癌・膀胱癌治療薬
永田政義
1
,
堀江重郎
2
1順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科学 准教授
2順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科学 教授
pp.359-364
発行日 2016年1月31日
Published Date 2016/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201613359
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
前立腺癌,特に去勢抵抗性転移性前立腺癌に対して,本邦では2014年に3種の新薬,エンザルタミド,アビラテロン,カバジタキセルが登場した。それ以降に新薬の登場はないが,前立腺癌に対する薬物治療は,その薬剤選択とそれらを使用する順序においての選択肢が非常に多岐にわたることとなった。2015年以降,どういった患者にどういった順序で薬剤を使用していくか,いわゆる薬剤のシークエンスに関しての臨床研究の結果が次々と発表された。本稿では,今後我々が前立腺癌に対して薬剤を使用していくに当たって,有用なエビデンスとなるこれらの報告を中心に解説する。膀胱癌に関しては,さまざまな臨床研究が行われているものの,ここ何年も新薬は登場していない。最近の癌治療のトピックである免疫チェックポイント阻害薬と膀胱癌の臨床研究など,最新の試験などにつき述べる。