小特集 超高齢社会を迎える日本での骨粗鬆症治療戦略
2.骨粗鬆症の診断
萩野浩
1
1鳥取大学医学部保健学科・教授/同大附属病院リハビリテーション部・部長
pp.2313-2316
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201610117
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原発性骨粗鬆症の診断に当たっては,まず続発性骨粗鬆症の鑑別が重要である。診断基準(2012年度版)では椎体または大腿骨近位部骨折があれば,骨密度に関わらず骨粗鬆症と診断される。椎体または大腿骨近位部骨折以外の脆弱性骨折がある場合は,骨密度がYAM(若年成人平均値)の80%未満の例を,骨折が無い場合は70%以下を骨粗鬆症と診断する。続発性骨粗鬆症の治療開始基準が示されているのはステロイド性骨粗鬆症のみで,それ以外では原発性骨粗鬆症の診断基準に準じて,各疾患や病態ごとに治療開始を検討する。かかりつけ医での骨粗鬆症診断では,骨粗鬆症を疑わせる病歴,身体所見を見逃さない注意が大切である。