小特集 超高齢社会を迎える日本での骨粗鬆症治療戦略
1.序 ~骨粗鬆症診療の問題点~
宗圓聰
1
1近畿大学医学部奈良病院整形外科・リウマチ科・教授
pp.2309-2312
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201610113
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わが国の要支援・要介護の原因疾患の第一位は運動器の障害である。特に骨粗鬆症に伴う骨折は,日常生活動作の障害を介して健康寿命に悪影響を及ぼすとともに,生命予後にも悪影響を及ぼす。骨粗鬆症および大腿骨近位部骨折患者数は,今後も増加すると考えられるが,大腿骨近位部骨折の発生率は90歳代を除いて2012年には減少傾向を示した。しかし,骨粗鬆症の治療率と治療継続率は,今なお低いと言わざるを得ず,改善に向けた努力が必要と考える。