特集 Onco-nephrology ~腫瘍学と腎臓病学の融合~
8.腎機能に応じた抗がん薬の調節
中川俊作
1
,
米澤淳
2
,
松原和夫
3
1京都大学医学部附属病院薬剤部
2京都大学医学部附属病院薬剤部 准教授/副薬剤部長
3京都大学医学部附属病院薬剤部 教授/薬剤部長
pp.2101-2104
発行日 2016年9月1日
Published Date 2016/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201609107
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抗がん薬を用いた治療を受ける患者は,高齢などの理由により比較的腎機能が低下した状態であることが少なくない。また,抗がん薬そのものによっても腎機能の低下が引き起こされる可能性がある。そのため,抗がん薬の投与にあたっては,腎機能を定期的にモニタリングし,それに応じて投与量を適宜調節する必要がある。さらに最近では,外来がん化学療法の拡大に伴って処方せんへの検査値記載の試みがなされるなど,どのような立場の薬剤師においても腎機能を考慮した抗がん薬投与量の評価が求められていると言える。本稿では,腎機能に応じた抗がん薬の投与量調節に関して,その原理と方法について概説する。