今月の主題 よくわかる水・電解質と酸塩基平衡
酸塩基平衡を理解する
腎による調節
福原 吉典
1
,
折田 義正
2
1国立大阪病院・臨床検査科
2大阪大学医療短期大学部・衛生技術学科
pp.834-838
発行日 1992年5月10日
Published Date 1992/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901507
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ポイント
1)腎における酸塩基平衡調節は,糸球体で濾過されるHCO3-の完全な回収,HCO3-の新生,尿の酸性化,滴定酸・NH4+の排泄調節を介して行われている.
2)腎からは体内組織で産生される不揮発性酸50〜100mEq/日(1mEq/kg/日)が排泄されるが,それと等量のHCO3-が腎において新生される.
3)糸球体で濾過される4,000mEqのHCO3-の99%以上が尿細管で再吸収される.この再吸収は,それと同量のH+が分泌されることにより成り立つ.
4)アシドーシスのように過剰の酸排泄を必要とする病態では,腎はNH3産生を増大させ,NH4+排泄を通常の10倍までにも促進することで対応している.
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