特集 がん薬物療法と腎機能低下 腎機能を考慮したマネジメントの基礎と実践
がん患者の腎機能評価と腎機能に応じた抗がん薬の投与量調整 抗がん薬のPharmacokinetics/Pharmacodynamics
野田 哲史
1
,
寺田 智祐
1滋賀医科大学医学部附属病院 薬剤部
キーワード:
抗腫瘍剤
,
糸球体濾過量
,
腫瘍
,
代謝クリアランス
,
血中濃度-時間曲線下面積
,
腎機能障害
,
薬物投与量算出
,
腎排出
,
Creatinine Clearance
Keyword:
Antineoplastic Agents
,
Glomerular Filtration Rate
,
Area Under Curve
,
Neoplasms
,
Metabolic Clearance Rate
,
Renal Elimination
,
Drug Dosage Calculations
,
Renal Insufficiency
pp.2631-2636
発行日 2020年6月5日
Published Date 2020/6/5
DOI https://doi.org/10.15104/J01461.2020279011
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<Key Points>◎腎機能低下患者では、抗がん薬の体内動態(pharmacokinetics:PK)や、薬効(pharmacodynamics:PD)が変化する場合がある。◎したがって、腎機能に基づいた抗がん薬の用量調節を適切に行うためには、腎機能低下患者における抗がん薬のPKとPDのデータを読み解くことが重要である。◎抗がん薬の腎排泄寄与率は、尿中未変化体排泄率を指標とする。一般的に、尿中未変化体排泄率が30%を超えると、腎排泄性の薬剤と呼ばれ、腎機能低下時に用量を調節する必要がある。◎肝代謝性の抗がん薬でも、代謝物が腎排泄である場合に、腎機能低下による副作用が増強する可能性がある。
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