特集 がん領域における注意すべき医薬品副作用のメカニズムと対応
6.薬剤性腎障害
米澤淳
1
,
松原和夫
2
1京都大学医学部附属病院薬剤部講師
2京都大学医学部附属病院薬剤部教授・薬剤部長
pp.1191-1195
発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201404109
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腎臓は薬物感受性が高く,毒性発現には特に注意が必要である。抗がん剤のシスプラチン,イホスファミド,メトトレキサートなどは,強い腎毒性を誘発することが知られている。これら抗がん剤による腎毒性発現には,トランスポータの機能や尿量の低下,尿の酸性化などが関与する。特に,トランスポータの基質認識などの機能特性は,白金系抗がん剤やアルキル化剤等の腎毒性発現の規定因子となる。各薬物の腎毒性発現メカニズムやその対策を理解し,腎毒性の予防や早期発見において薬学的視点から多角的に貢献していくことが期待される。