連載 患者のQOL向上と薬剤師の関わりPART II .服薬指導と病棟活動(105)
療養型病院における薬剤管理指導の意義~処方提案,薬物療法の質の向上へ~
福田健吾
1
,
山口晶司
2
1医療法人扶恵会 釧路中央病院薬剤科 薬剤科長
2医療法人扶恵会 釧路中央病院薬剤科
pp.1327-1332
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201605145
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療養型病院には,高齢で意思疎通が困難な患者が多く入院している。また,家族支援や副作用の発見において,特段の配慮も必要とする。そのような状況で日々行っている薬剤管理指導業務の意義を確認するため,釧路中央病院では入院患者141名を対象に調査期間内に薬剤管理指導を行った群(指導群)と行わなかった群(非指導群)に分けて,過去起点前向きに追跡した。その結果,処方提案を行った人数の割合は指導群の方が有意に高かった。 薬剤管理指導により,処方状況だけでなく,ベッドサイドでの患者の状態把握や情報収集も行われ,適切な処方提案へとつながっていると考えられた。療養型病院においても薬剤管理指導は,適切な薬物療法を展開する上で意義多き業務と考える。