連載 薬剤師による処方設計(45)
感染症領域における薬学的介入 ~感染症科と薬学部との連携~
福森史郎
1
,
辻泰弘
2
,
山本善裕
3
1富山大学大学院医学薬学研究部(薬学)保険薬局学研究室
2富山大学大学院医学薬学研究部(薬学)医療薬学研究室・准教授
3富山大学附属病院感染症科・教授
pp.1319-1324
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201605137
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特定薬剤治療管理料の対象薬剤ではないが,薬物濃度と治療効果もしくは副作用と関係のある抗菌薬・抗真菌薬は多数存在し,医療現場の薬剤師は,医師から血中濃度の測定を求められることがある。しかし,病棟薬剤業務は多岐にわたり,対応可能な医療機関は少ない。一方,大学薬学部は学生を含めた人員と環境設備が十分に整っている。我々は,病院診療科と薬学部研究室が連携することで,特定薬剤治療管理料で認められていない薬剤を薬学部で測定し,薬物血中濃度を即時医療現場にフィードバックする取り組みを行っている。 本稿では,薬学部と感染症科が連携して抗MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)薬リネゾリドのTDM(治療薬物モニタリング)を行い,治療効果や副作用抑制に有用であった症例を報告する。