第 II 部 注目の新薬
〔可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬〕「アデムパス®錠0.5mg,同1.0mg,同2.5mg」
田邉信宏
1
1千葉大学大学院医学研究院先端肺高血圧症医療学寄附講座(呼吸器内科学)・教授
pp.298-307
発行日 2015年1月31日
Published Date 2015/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201513298
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リオシグアト(アデムパス®)は,可溶性グアニル酸シクラーゼ(soluble guanylate cyclase:sGC)刺激薬であり,一酸化窒素(NO)に対するsGCの感受性を高める作用,NO 非依存的にsGCを直接刺激する作用,2つの機序を介して,サイクリックグアノシン一リン酸(cGMP)の産生を促進し,肺動脈を拡張させる特徴を持つ。非手術適応および術後残存慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対する国際共同無作為化比較試験において,6分間歩行距離を改善させ,初めての適応薬となった。同時に,肺動脈性肺高血圧症において,臨床状態悪化までの期間を延長させ,海外では既に承認されている。動物実験では,長期喫煙曝露モデルにおいて,肺気腫,肺高血圧症を改善させ,左心不全や特発性間質性肺炎での臨床試験も始まっており,今後の臨床応用が期待される。