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特集 神経系に作用する薬物マニュアル
Ⅲ.代謝的に作用する薬物
酵素活性に影響する薬物
グアニル酸シクラーゼ
Guanylate cyclase
中根 正樹
1
Masaki Nakane
1
1Parmaceutical Products Division, Abbott Laboratories
pp.457-459
発行日 1991年10月15日
Published Date 1991/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900253
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「概説」
グアニル酸シクラーゼ(EC 4.6.1.2.)はMgまたはMnの存在下でGTPからサイクリックGMP(cGMP)を産生する反応を触媒する酵素である。中枢神経系をはじめ,多くの組織において可溶性と膜結合性の両方にその活性が見出され,両者は異なる構造と機能をもった酵素である。両者とも最近組織によって異なるサブタイプがあることが明らかになっている。可溶性グアニル酸シクラーゼは82kDaと70kDaの二つの異なるサブユニットから成り,それぞれのサブユニットがC末端にグアニル酸シクラーゼの触媒部位をもつが,両サブユニットがヘテロダイマーを形成して初めて活性を発現する。N末端部位には調節部位としてのヘム結合活性を持つ。
それに対し,膜結合性グアニル酸シクラーゼはシングルポリペプチドで,ただ一カ所の膜貫通部分をもち,細胞外にペプチド受容体部位を,細胞内にグアニル酸シクラーゼ活性部位を,そして膜貫通部位の細胞質側にATP結合部位を持っている(図1)。
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