特集 個別化医療とコンパニオン診断薬を取り巻く現状と問題点
5.臨床の立場から見たコンパニオン診断薬の開発と評価
大津敦
1
1国立がん研究センター先端医療開発センター・センター長
pp.85-88
発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201508085
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分子標的治療薬を中心とするがん新薬開発において,コンパニオン診断薬開発は極めて重要である。しかし,わが国においては検査の質保証に関する規制面での基盤整備が十分ではなく,開発を進める上での支障となっている。一方,急速なゲノム解析技術の進歩により包括的なゲノム診断パネルが開発され,がん新薬開発治験の形態も大きく変貌している。従来の1対1対応のコンパニオン診断薬とは異なる開発手法となっており,規制面での世界的な議論が進んでいる。わが国においても検査コストや保険償還問題を含めて,その対応が急務である。