特集 個別化医療とコンパニオン診断薬を取り巻く現状と問題点
4.病理の立場から見たコンパニオン診断薬の開発と評価
畑中豊
1
,
松野吉宏
2
1北海道大学病院 コンパニオン診断研究部門,同 病理診断科/病理部 特任講師
2北海道大学病院 コンパニオン診断研究部門,同 病理診断科/病理部 教授
pp.76-82
発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201508076
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コンパニオン診断(CoDx)は,治療の有効性や安全性の予測に欠かせない手段の一つとなっており,これに用いる体外診断用医薬品(IVD)や医療機器は,近年コンパニオン診断薬と呼ばれるようになった。コンパニオン診断の対象疾患は多岐にわたるが,がん領域,とりわけ固形がんにおいて最も実用化が進んでおり,それ故がん組織や細胞の診断業務を行う病理診断との関わりは極めて深い。 本稿では,病理におけるコンパニオン診断の現状を概説するとともに,その検査精度や使用する検体の品質管理における課題や,今後のコンパニオン診断薬開発における諸問題について,病理の視点から言及する