特集 最新の心房細動薬物治療
2.心拍数コントロールの変貌
杉薫
1
1東邦大学医療センター大橋病院循環器内科・教授/病院長
pp.887-895
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201503887
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心拍数コントロールは,第一選択として永続性心房細動に適応されるものであり,発作性あるいは持続性心房細動を洞調律にする前に頻脈性心房細動の心拍数を調節することも行われる。心拍数コントロールは,房室結節の伝導を抑制する薬剤を選択することで達成される。心不全がない時にβ遮断薬,αβ遮断薬(アロチノロール),カルシウム(Ca)チャネル拮抗薬のベラパミルとジルチアゼムが用いられる。心不全時の心拍数低下にはジゴキシン,アミオダロンが使用できる。心拍数が130~140以上/分の心房細動が持続すると,うっ血性心不全を生じやすいが,安静時の心拍数が110拍/分未満を目指す穏やかな心拍数コントロールでもよいことが示されている。