特集 最新の心房細動薬物治療
3.抗不整脈薬治療の現状と展望
三田村秀雄
1
1国家公務員共済組合連合会 立川病院・病院長
pp.897-901
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201503897
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心房細動の薬物治療は,根治ではなく症状緩和を主目的とする。しかし,それには脳梗塞や致死的催不整脈作用の回避を,何よりも優先させる必要がある。発作性心房細動の停止には,器質的心疾患が無ければナトリウム(Na)チャネル遮断薬の発作早期単回投与が推奨される。一方,持続性心房細動では,心房筋のリモデリングを逆転させるベプリジルの数週間投与が時に奏効する。器質的心疾患例では,抗不整脈効果の減弱と催不整脈作用の増加の両方の可能性が高まることの理解が重要で,アミオダロンが選択肢となる。心房細動の薬理学的ターゲットは,時間とともに変化し,また薬剤は心室筋にも作用するため,効果と安全のバランスを改善する薬剤の開発が求められている。