特集 循環機能の正常値
心拍数
道場 信孝
1
1ライフプランニングセンター
pp.708-710
発行日 1982年7月15日
Published Date 1982/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204036
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I.安静時心拍数
日常の臨床で心拍数をみるのは多くの場合診察室か病室のベッドの上であるが,前者では必ずしも心身的に安静であるとは限らないし,また後者においても食事や情緒的な影響を受けているかもしれない。近年ECGのHolterモニターが頻繁に行なわれるようになり,これらの行動や情緒の変動に伴なう心拍数の変化が詳細にとらえられるようになった。一般に安静時心拍数という場合,どの位の安静によって心拍数は定常状態に達するであろうか。図1は22例の健常者について安静臥位にした場合の血圧と心拍数の変化を2分毎に30分間自動的に測定したものの平均を示したものであるが,これを早期,中期,そして後期の各10分に分けて,それぞれの変化の推計学的有意性を検討すると,収縮期圧,拡張期圧,平均血圧,そして心拍数のいずれも,はじめの10分で有意に下降し,その後の変化には有意差が認められない(図2)。
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