Japanese
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Current Opinion
心拍数と心不全
Prognostic Significance of Heart Rate in Heart Failure
安斉 俊久
1
Toshihisa Anzai
1
1国立循環器病研究センター心臓血管内科部門
1Department of Cardiovascular Medicine, National Cerebral and Cardiovascular Center
pp.533-538
発行日 2012年5月15日
Published Date 2012/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101964
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心拍数と予後,心不全の病態との関連についての概要
[1]生命の寿命と心拍数
哺乳類においては,マウスのような心拍数600/分の動物が数年の寿命であるのに対して,ゾウのように心拍数30/分程度の動物は数十年の寿命を有し,一生の間の総心拍数は,20~25億回でほぼ一定であることが知られている.ヒトの寿命は衛生管理や医学の発達により,この範囲を逸脱して,相対的に長くなっているが(図1)1),ヒトのなかでも,高血圧,虚血性心疾患2,3),心不全4)などを対象とした研究では,心拍数の増大が予後不良の予測因子であることが過去の研究で明らかにされている.しかし,これは心拍数が高くなるような背景因子が影響している可能性も否定できず,心拍数増大そのものがもたらす影響については未だ明らかにされていない.
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