連載 薬剤師が知っておくべき臓器別画像解析の基礎知識 50
9.肝臓分野 2)肝内胆管癌の画像診断
髙村昌昭
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1新潟大学医歯学総合病院消化器内科
キーワード:
肝内胆管癌,肉眼分類,鑑別診断,ウイルス性肝炎
Keyword:
肝内胆管癌,肉眼分類,鑑別診断,ウイルス性肝炎
pp.635-639
発行日 2015年2月1日
Published Date 2015/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201502635
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肝内胆管癌は,肝細胞癌に次いで多い原発性肝癌である。原発性肝癌取扱い規約により肉眼的に腫瘤形成型,胆管浸潤型,胆管内発育型の3型に分類され,異なる臨床像を呈する。最も多い腫瘤形成型は,画像診断上高頻度に末梢の胆管拡張を伴う点が特徴であるが,硬化型肝細胞癌,転移性肝癌や混合型肝癌と類似の造影パターンを呈することから鑑別が困難な場合があり,確定診断に病理組織学的検査が必要となることもある。また本腫瘍はウイルス性肝炎等の慢性肝疾患を背景に有する症例が見られるが,高危険群の囲い込みは確立されていない。今後は,本腫瘍の診断が可能となるような新たな画像診断法の開発が待たれる。