特集 miRNAの実力:診断から治療まで
10.老化関連miRNAによる核酸医薬治療
山本佑樹
1
,
田原栄俊
2
1広島大学大学院医歯薬保健学研究院・細胞分子生物学研究室
2広島大学大学院医歯薬保健学研究院・細胞分子生物学研究室教授
pp.2868-2873
発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201412114
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
がん細胞におけるエピゲノム変化は,マイクロRNA(miRNA)の発現制御に大きく寄与している。がん抑制に働くmiRNAの発現低下は,細胞増殖の促進,細胞浸潤能の促進,血管形成促進,アポトーシス耐性などを引き起こす。これらを標的にした,miRNAの治療戦略が多数報告されている。
そこで本稿では,がんと関連の深い miRNA とその機能について例をあげて述べていくとともに,新たながん抑制機構として重要視される老化に着目し,老化誘導型miRNA の機能,そして抗がん剤としての核酸医薬品への応用の可能性について紹介したい。