特集1 実用可能な新しい製剤技術の進歩と将来展望
4.PLGAナノ粒子が拓く新たなDDS製品の開発と実用化
塚田雄亮
1
,
笹井愛子
1
,
辻本広行
1
,
山本浩充
3
,
川島嘉明
4
1ホソカワミクロン株式会社 マテリアル事業部 製薬・美容科学研究センター
3愛知学院大学薬学部医療薬学科製剤学講座・教授
4岐阜薬科大学・名誉教授/愛知学院大学・特任教授
pp.2165-2172
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/12014092165
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近年,薬物送達システム(DDS:Drug Delivery System)に微粒子を用いる製剤研究が盛んに行われてきた。筆者らは,生体適合性でかつ生体内分解性の乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA:poly-lactide-co-glycolide)ナノ粒子を用いたDDSの研究開発を進めている。このPLGAナノ粒子に薬物を封入して,患部での薬物の吸収性を高めつつ徐放性を発現させることで,薬効の増大が期待できる医薬製剤や医療デバイスの開発が可能となってきており,その中のいくつかは既に臨床試験が進められている。
さらに,ホソカワミクロン(株)ではPLGAナノ粒子の薬物皮膚浸透性の増強作用をいち早く見出し,機能性化粧品や浸透型育毛剤として世界初となるPLGAナノ粒子の実用化を切り拓いた。