特集1 実用可能な新しい製剤技術の進歩と将来展望
3.吸入製剤・経肺投与型製剤の動向および2液混合型スプレーノズルによるナノコンポジット粒子製造技術の開発と応用
田上辰秋
1
,
尾関哲也
2
1名古屋市立大学大学院薬学研究科薬物送達学分野講師
2名古屋市立大学大学院薬学研究科薬物送達学分野教授
pp.2159-2164
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/12014092159
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本稿では,市販されている吸入製剤・経肺投与型製剤の動向として,最近,米国食品医薬品局(FDA)より認可された経肺投与型インスリン製剤であるAfrezza ®について紹介する。Afrezza ®の誕生は,高分子化合物であるインスリンが経肺経路により血中にまで十分量到達できることを証明しており,今後は,他の高分子化合物についても経肺経路を利用したドラッグデリバリーシステム(DDS)技術の開発が期待できる。後半では筆者らのグループが開発した,2液混合型スプレーノズルを用いたスプレードライ法によるナノコンポジット粒子の製造に関して解説した。我々が示した研究成果は,経肺投与によるDDS製剤としてナノコンポジット粒子を用いることが有用であることを強く示唆するものである。