特集 Drug delivery system(DDS)の最新展望
10.ワクチン開発におけるDDS
廣部祥子
1
,
岡田直貴
2
,
中川晋作
3
1大阪大学大学院薬学研究科薬剤学分野
2大阪大学大学院薬学研究科薬剤学分野准教授
3大阪大学大学院薬学研究科薬剤学分野教授
pp.1797-1803
発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201407109
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経皮ワクチン製剤は,痛みを伴うことなく皮膚に貼るだけでワクチンを接種できるため,従来の注射ワクチン製剤と比較して迅速大規模接種や開発途上国へのワクチン普及において優位性を持つ。また,皮膚の表皮や真皮層には免疫担当細胞が多数存在しており,高いワクチン効果が期待できる。
近年,DDS(drug delivery system)分野において発展してきた経皮薬物デリバリー技術を応用することで,ワクチン抗原を皮膚内へと効率良く送達する試みが精力的に行われている。特に,マイクロニードルを用いた経皮ワクチン製剤は,簡便・安全・有効な次世代ワクチン製剤として大いに注目されている。