特集1 実用可能な新しい製剤技術の進歩と将来展望
5.各種ポリマーによる難水溶性薬物の溶解性改善機構の解明と製剤化への応用
植田圭祐
1
,
東顕二郎
1
,
森部久仁一
2
1千葉大学大学院薬学研究院製剤工学研究室
2千葉大学大学院薬学研究院製剤工学研究室教授
pp.2173-2178
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/12014092173
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
難水溶性薬物の溶解性を改善する目的で,各種ポリマーを添加剤として用いた製剤処方検討が多数行われている。ポリマーによる薬物溶解性改善機構は,用いるポリマーの種類により異なり,それが薬物の膜透過性・吸収性に影響する。各種ポリマーによる薬物溶解性改善機構を分子レベルで明らかにすることで,ポリマー溶液からの薬物吸収性を予測することができ,これにより固体分散体をはじめとする固形製剤の設計をより効率的に進めることが可能である。本稿では,ポリマー溶液中の薬物分子状態を核磁気共鳴(NMR)法により評価した。そして,NMR法により推察された各ポリマーによる薬物溶解性改善機構と,薬物膜透過性との関連を考察した。