特集 ナノテクノロジーとバイオセンサ
各論
Ⅰ. ナノ粒子関連
4. 熱応答性磁性ナノ粒子による高速磁気分離
近藤 昭彦
1
,
大西 徳幸
2
Akihiko KONDO
1
,
Noriyuki OHNISHI
2
1神戸大学工学部応用化学科
2マグナビート株式会社
キーワード:
磁気分離
,
熱応答性高分子
,
磁性ナノ粒子
Keyword:
磁気分離
,
熱応答性高分子
,
磁性ナノ粒子
pp.1375-1384
発行日 2006年11月30日
Published Date 2006/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100774
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はじめに
金属ナノ粒子を含むナノ粒子と生体物質の複合粒子を,バイオ分離や各種アッセイ,診断などの幅広い領域で利用することが活発に試みられている1).特に近年,ナノテクノロジーを医療やバイオテクノロジーへ応用するナノバイオテクノロジーの展開への期待が高まるなか,研究開発が活発化している.微粒子をナノサイズにすると,相互作用に利用できる表面積を大きくできるため,分離のための吸着量を大きくでき,分析の感度が著しく向上する.したがって,より短時間に高感度診断ができるシステムの構築が可能であり,さらにトランスクリプトームやプロテオーム解析に代表される多品種,多品目のRNAや蛋白質のハイスループットな分析システムを構築するうえでも有効な材料である.本稿では,筆者らが開発と実用化を進めている熱応答性磁性ナノ粒子について,その基本コンセプト,調製法やバイオ分離・分析や医療診断への応用について述べる.
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