特集1 実用可能な新しい製剤技術の進歩と将来展望
7.乾式複合化コーティング技術を指向した薬物核粒子および粉末コーティング粒子の設計と徐放性微粒子製剤の開発
近藤啓太
1
,
丹羽敏幸
2
1名城大学薬学部製剤学研究室
2名城大学薬学部製剤学研究室教授
pp.2185-2190
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/12014092185
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乾式複合化コーティング技術を指向した微細な薬物核粒子および粉末コーティング剤を製造するための新しい粒子設計法を考案し,徐放性微粒子の調製に成功した。薬物結晶に直接コーティングを施すため,粒度分布の広い棒状の薬物結晶に強力な機械的ストレスを与えることで,粒度分布の狭い球形薬物粒子に改質した。湿式法で汎用されるアクリル酸系高分子の水分散液を乾式コーティングに適用するため,噴霧凍結乾燥法で粉末化したところ,高分子微粒子が凝集してできた多孔質な球形粒子が得られた。球形化薬物と高分子粉末を機械的処理して得られた複合粒子には,高分子粉末が解砕されて生じた微粒子が被覆しており,成膜処理によって薬物放出の徐放化に成功した。