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日本発の非営利官民パートナーシップ構築 発展途上国の感染症撲滅に資金援助 グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)
pp.1714-1721
発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201407026
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公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)は6月5日,都内でメディア勉強会「熱帯病の実態と制圧に向けた取り組み」を開催し,世界の感染症の実情と,その制圧に向けた同基金の活動について報告した。グローバルヘルス(Global Health)とは,「グローバリゼーションに伴い,地球規模での解決が求められる保健医療問題」と定義される,医療への国際的な取り組みのこと。近年,国境を越えた医療問題を解決するために,さまざまな官民の関係者が横断的に連携し,非営利的な団体を組織することが盛んになってきた。グローバルヘルス技術振興基金は,日本政府,国内製薬企業5社と,米国のビル&メリンダ・ゲイツ財団が共同で資金拠出し,開発途上国の医療問題解決を目指して設立された国際基金。100億円規模の拠出金をもとに,開発途上国の感染症制圧に向けた新薬やワクチン,診断薬等の研究開発に対して資金援助を行う。官・企業・市民団体(財団)が共同で出資し,グローバルヘルスの研究開発に特化した援助を行う基金は世界初であり,国際的にも注目されている。メディア勉強会では,大阪大学微生物病研究所教授・堀井俊宏氏が,世界の感染症の治療状況について講演したほか,同基金CEO(最高経営責任者)兼専務理事・スリングスビー B.T.氏が,活動内容の現状について報告した。