特集 特集2 バイオシミラー・フィルグラスチム
6.バイオシミラー・フィルグラスチムに対する期待と不安 2)臨床医の観点から
田村和夫
1
1福岡大学病院・病院長/福岡大学医学部腫瘍・血液・感染症内科学・教授
pp.1423-1428
発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201405139
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バイオシミラー・フィルグラスチムは,先行フィルグラスチムと同品質で安全性・有効性が同等である,遺伝子組換えタンパク製剤である。欧州を中心に広く使用され,今までのところ先行品と異なる頻度,種類の有害事象の報告は無いが,先行品と異なる抗原性を持つ可能性があること,長期・頻回使用の治療成績の蓄積が少なく,日本において多数例での経験がないことから安全性についてさらなる検討が必要である。一方,化学療法に伴う一過性の好中球減少に対する予防的,治療的効果は確認されている。また,薬価が安く患者負担が減ることから,適応例に広く使用され,QOL(quality of life)の改善,化学療法の治療強度の維持により結果として,治療成績が改善することが期待される。