特集 特集2 バイオシミラー・フィルグラスチム
4.医療経済から見たバイオシミラー・フィルグラスチム
亀井美和子
1
1日本大学薬学部 実践薬学系医療コミュニケーション学研究室・教授
pp.1403-1408
発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201405119
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画期的なバイオ医薬品の上市による治療成績の向上が期待される一方で,その高額な治療費を誰がどう負担していくかは大きな課題である。バイオシミラーは,先行品と同等/同質でありながら安価であるという点で注目されているが,価格差による患者や支払者の薬剤費負担の軽減だけでなく,先行品を含めた複数製品間の価格競争が生じることで,特許期間満了後のバイオ医薬品にアクセスしやすくなり,その結果,治療効果が向上する可能性がある。欧州におけるフィルグラスチムの使用量の増加は,必要とする患者集団におけるアクセス向上によるものと考えられる。限られた財源での効率的な薬剤選択を行う環境においては,バイオシミラーの果たす役割は大きいと言える。