特集 特集2 バイオシミラー・フィルグラスチム
3.バイオシミラー・フィルグラスチムの品質・安全性・有効性について
荒戸照世
1
1北海道大学大学院医学研究科連携研究センターレギュラトリーサイエンス部門評価科学分野・教授
pp.1396-1402
発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201405112
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「フィルグラスチムBS注シリンジ『F』および『モチダ』」(2012年承認)と,「フィルグラスチムBS注シリンジ『NK』および『テバ』」(2013年承認)は,品質特性について先行バイオ医薬品と類似性が高いことが示されるとともに,非臨床試験および臨床試験のデータも含めて,同等/同質であることが示されている。両者の臨床データパッケージには,静脈内投与および皮下投与におけるPK(pharmacokinetics)比較試験に加えて,G-CSF(granulocyte-colony stimulating factor)の「好中球増加作用」および「造血幹細胞の末梢血中への動員作用」を反映するPD(pharmacodynamics)マーカー(好中球数絶対数およびCD34陽性細胞数)を指標とした比較試験が含まれ,有効性の同等性が検証されていた。加えて,前者では乳がん患者を対象とした国内第III相試験(対照群なし)が評価資料として,後者では海外第III相試験(3試験)成績が参考資料として添付されていた。